カメラを最初に手にする時、それに付けるレンズとしてはメーカーが指定する標準
当然私もそうでありまして、ペンタックスSPを買った時は55ミリF1.8を付けてい
さて、カメラものめり込みますといろいろなレンズが欲しくなってくるのですね。
ところが当時おもしろいアクセサリーがありまして、それはライフルの台座の形状
次ぎに買ったのはスーパータクマー35ミリF2.4でした。
その次ぎに買ったのは、それ以降私の主力レンズとなる24ミリF3,6でした。
荷物の関係で、交換レンズを持っていけない場合、たいていはこの24ミリをカメラ
その次にはポートレート用として135ミリを買いました。
私がペンタックスSP用に買ったレンズとしては以上です。
当時はスームレンズは一般的ではありませんでした。
今、初めてカメラを買う人達はたいていズームレンズを標準として付けるようです。
レンズをそのまま付ける場合が大半であると思います。
ました。 本当を言えば50ミリF1.4が欲しかったのですが、バイトしながら金を貯
めていた高校生にとってはF1.4は高かったのですね。
でも、これが後々に良い結果となります。
それは当時私はドキュメンタリーを撮っていた事もあり、かなり暗い場所での撮影
や高速シャッターを切る場合が多かったのですね。 当然絞り解放での撮影も多く
なります。 その時、このF1.8レンズは威力を発揮してくれました。
被写界深度が深かったのです。
絞り込めば被写界深度は深くなるのですが、解放状態でもある程度の深度を取って
くれるレンズとしては当時出色のレンズであったのです。
F1.4レンズを1.8に絞った時よりも深かったのですからたいしたものです。
暗いレンズであると言っても、その後で買う事になる望遠や広角に比べれば明るい
レンズでありましたし、レンズ径が大きくないという事で周辺収差も出にくいレン
ズでありまして、私としては何不自由しない、いいレンズであったと思います。
で、つぎに買ったのはスーパータクマー200ミリF4でした。
とにかく望遠が欲しかったのです。 当時私がポートレートや人物をメインに撮っ
ていたなら135ミリか110ミリあたりを選んだでしょうが、ドキュメンタリーを撮っ
ていたという事で、遠くからでも少しでも真実に近づけるようにと、手持ちではほ
とんど限界と言われる200ミリを買ったのでした。
条件が良く、かなりの高速シャッターを切れる場合は良いのですが、シャッタース
ピードが1/125より遅くなった場合、顕著に手ブレがでました。
今のレンズと違い、当時レンズ自体もかなり長く、重いものでしたので手持ち撮影
には辛いレンズでした。
をしたカメラグリップで、これに200ミリを付けたカメラをセッティングすれば、
まるでライフルのスコープを覗くようなポジションで撮影が出来たのです。
シャッターもレリーズを介して引き金につながっていて、本当に銃を撃つように引
き金を引けばシャッターが切れたのです。
これを使えば飛躍的に手ブレはなくなりました。
広角の標準と言われたレンズで、広角でありながらほとんど歪みもなく、たんに標
準レンズの画角が広くなったという感じでした。 スナップ等には使いましたが、
私としてはあまり気に入ったレンズではなく、一番カメラバッグに眠っていたので
はないでしょうか。
この24ミリは独特な歪みを持ち、それゆえ画面にとてつもない迫力を与えてくれま
した。 なんでもない構図であるのに、その歪みゆえの遠近感が出て、とても奥行
きのある構図を演出してくれたのです。
レンズ径も大きく、このレンズをセットすればカメラ自体も大きく迫力あるものに
見えました。
にセットして持っていったものです。
私はこのレンズで当時の浅川マキや五輪真弓、アン.ルイスを撮ったりもしました。
現在私が広角を多用するのはこのレンズによって培われた部分が大きいのだと思っ
ています。
しかし、いまだにこのスーパータクマー24ミリを越えるレンズには行き当たってい
ません。
自分でポートレートやヌードを撮るときにはこのレンズは威力を発揮してくれまし
たね。 望遠効果としての前後のボケの出方がとても良かったし、軽かったため、
200ミリのようにブレを心配する事なく、安心して使えるレンズという印象でした。
しかし、迫力という面では乏しく、使用頻度として200ミリを凌ぐ事はありません
でした。
これにテレプラス×2を持っていましたので、広角24ミリから望遠400ミリまでカバ
ーしていた事になります。
楽しい楽しいレンズ達でした。
あることはあったのですが、とても高価で、アマチュアではとても手が出ないもの
でしたし、当時としては固定焦点レンズが一般的でしたので、ズームをわざわざ購
入する人も少なかったのですね。
撮影用途に合わせて、その都度レンズを交換します。
ニコンなどはプリセットリングでしたが、当時のペンタックスはスクリューマウン
トでしたので、レンズ交換の度にレンズを何周かぐるぐると回さなければなりませ
ん。 外す時は良いのですが、装着の時はスクリュウがなかなか合わずに焦る事も
ありました。 不便ではありましたが、それもまた楽しさであり、今でもスクリュ
ーマウントには愛着があります。
ズームが一般化してなかったおかげで、いろんな固定焦点レンズを使いましたし、
それぞれの個性や癖を知る事も出来ました。
つまり、いろいろと勉強出来たという事ですね。
ズームレンズはとても便利なレンズです。
しかし、最短照準距離となると、例えば35ミリ〜135ミリというズームの場合、35ミ
リのほうではなく135ミリの方に合わせられている(合わざるをえない)ため、本来
の広角の持つ至近距離での迫力画像を写す事が出来ません。
私は多人数で撮る撮影会の場合にはズームレンズを使いますが、個人撮影や仕事で
の撮影ではズームは使いません。
やはり単焦点レンズのもつ個性と性能には便利さだけでは勝てないというところで
しょうか。
憂想堂
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