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《 第五十四話 スコティッシュレイルウェイ 》


インターネットSPGの画像BBSに秀吉さんが鉄道写真を懐旧作品から新しいもの
までいろいろと貼付けられています。
なかなか興味深い作品もあり、SPGのひとつの顔になりそうですね。
で、私も何か鉄道に関するものをと思うのですが、手持ちの中に鉄道を写したものが
無い。
で、で、まずは私の乗った珍しい鉄道の話でもしていこうかなと思い、旅情もあわせ
て紀行文などを書いてみます。

あれは今から10年前にもなりますか、バブル真っ盛りの頃、儲けまくっていた建築業
界の研修ツアーでスコットランドに行きました(もちろんご無料招待で、しかも飛行機
はファーストクラスというバブリーさ)。
まずロンドンのヒースロー空港に着き、そこから国内線に乗り換えてエジンバラ空港
へ。
さらにそこからサロンバスで約1時間、グレンイーグルという素晴らしい景色の渓谷
に着き、ホテルグレンイーグルスというかつての貴族の邸宅であったという城のよう
なホテルに投宿。
夢のようなツアーでありましたな。
このホテルの敷地内には18ホールのゴルフ場とハンティングが出来る野山もあり、昔
のウェールズ貴族の強大な勢力を見せつけられるようでした。
このホテル、建物も素晴らしく、まさに城でありまして、瀟洒で堅固でそして優美な
造りであり、歴史を感じるものでもありました。
部屋も広くてまるで私自身が貴族になったかりような錯覚さえ憶えるようなもので、
ちょっと気分に酔ってしまいましたね。
そこで驚いた事があります。
この地方がそうなのかスコットランドという国がそうなのかは判りませんが、サウナ
があり、それに入りに行きますと、脱衣室(ロッカールームではなく、古い石造りの
本当に脱衣のための部屋)から男女共用なのです。
脱衣からサウナからサウナと併設つれている裸で泳ぐプール、日光浴の部屋、シャワ
ールームと、全てが男女共用、日本風に言えば混浴なのですね。
まあ天国のような施設でありまして、広い広いされらのリラックススペースの全てで
男女が生まれたままの素っ裸ですごしているのです。
若いモデルのような女性達や家族連れから恋人同士と思われるカップルまで、とにか
くみんな裸なのです。
プールサイドにカウンターバーがあり、そこに立ってカクテルなんぞを飲んでいる女
性も素っ裸でした。
私なんぞはそのホテルに宿泊中、毎日サウナに通っていたのし言うまでもありません。

そういう夢のような日々を過ごし、グレンイーグルからエジンバラへと移動の日が来
ました。
後ろ髪を引かれる思いでホテルを後にしたのですが、その時、他のメンバー達は行き
と同じくバスで移動しましたが、私はひとりでスコティッシュレイルウェイに乗りた
いと言ってグループから離れ、ホテルの従業員の人に頼んでグレンイーグルス駅に連
れて行ってもらいました。
グレンイーグルス駅は可愛いメルヘンな駅でしたね。
建物もまるでウェールズの絵物語に出てくるようなもので、白と赤を基調にした色合
いで統一され、なかなか面白い駅で、ちょっと絵になります。
15分程度待っていると、来ました、スコティッシュレイルウェイの列車。
よく憶えていないので確かではありませんがディーゼル車であったように思います。
雰囲気としては大阪天王寺から出ている阪和線を走っているディーゼル車のような、
ちょっと古くささのある列車でしたね。
乗り込みまして、4人が向かい合わせに座るボックス席に座り、窓から外を眺めなが
らの旅です。
グレンイーグルはかなりの田舎と見えて、走り出したからかなりの間、窓からの景色
は緑の野山とそこに群れている羊たちばかりが見えている状態が続きます。
やっと家が増えてきて、街らしきものが見えてきだすと、停車する駅から乗り込んで
くる人達も増え、いつしか席も満席となってしまいます。
私の向かいに座った男性が「あなたは日本人か?」と話かけて来て「そやねん、旅行
で来ましてん」とか言ってしばらく四方山話などをして、それもなかなか旅らしくて
楽しかったです。
グレンイーグルスを出て約1時間半でエジンバラ駅に着きました。
車内で車掌から切符を買っていたのですが、エジンバラ駅には改札も何も無く、切符
をそのままもったままで駅の外に出てしまいました。
いくらでもキセルが出来るレイルウェイですね。
スコティッシュレイルウェイは、そうですね、日本で言えばちょっとローカルな、地
方都市を走っている路線という感じでしょうか、なんとものんびりとした感じのする
鉄道であるという印象ですね。
でも、それがまた旅情を誘ったりします。
エジンバラは都会ですが、こうした鉄道の旅で行くと、その都会までもが旅情豊かな
街として見えてきたりして面白いです。
この時の旅の写真は以下のページにありますのでご覧になって下さい。
http://www.fspg.jp/f1/yusodo/fuk/fuk3/fuk3.htm

また行ってみたい土地であります。


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憂想堂
E-mail: yousoudo@fspg.jp