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兵庫県伊丹市 小西酒造
さて、いよいよ兵庫県。伊丹で御座います。
JR伊丹駅を東出口から出て、南に下ると、大きな工場の風情。これが小西酒造。
銘柄は「白雪」
http://www.konishi.co.jp/
規模は大手と言っても良いのでしょうが、伊丹市内の本社を売却するなど、厳しい経営が見て取れます。
建物としては、旧本社北の長寿蔵の方がむしろ酒蔵の風情を残しているかもしれませぬ。
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兵庫県西宮市今津郷 今津酒造
いよいよ灘五郷に入ります。
まずは今津郷から。
阪神久寿川駅を降りて西宮インターをめざして歩き、インターの下を浜へ向かう大通りを浜手に進めばそこは大関酒造の城下町。
業務スーパーとコープの間の道を右に折れれば、大関酒造の工場に囲まれる様にひっそり建っているのが今津酒造。
銘柄は扇正宗
http://www.nadagogo.ne.jp/kura/ougi.html
かつては、白雪、金鹿も今津郷だったが、今はこの2者のみである。
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兵庫県西宮市今津郷 國産酒造
阪急バス浜松原町のバス停を降りて、浜の方へしばし。
交差点を右に折れてしばらく行けば、右手に見えるのが「國産酒造」である。
銘柄は「灘自慢」、大吟醸「國産一」
http://nadajiman.co.jp/
ただ、1.17以降自社で生産しているかと言えば???な所があり、実態はOEMではないかと言われております。
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兵庫県西宮市今津郷 万代大澤醸造
阪急バス東浜町をおり、浜の方へ、誠成公倫会の建物を左手に行くと右手に「蔵元直売」「清酒徳若」と書かれた建物がある。
矢印に従って建物の角を右に曲がれば、そこが「万代大澤醸造」の玄関&直売所。
http://www.nadagogo.ne.jp/kura/tokuwaka.html
結構ファンもいるようです。一升1000円を切る上撰・・・貴方は挑戦してみますか??
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兵庫県西宮市今津郷 大澤本家酒造
先の万代大澤醸造の隣、マジ隣です。
それが証拠に、写真の右端に写り込んだ建物・・・どこかで見た色でしょ(笑)
それが大澤本家酒造。銘柄は「寶娘」
http://ohsawasyuzo.com/
ホームページを見れば「原酒」一押しなのが見て取れます。
原酒の原酒・まぼろしの銘酒・・・
アルコール25度以上。下手な焼酎並みです。(笑)
でも一寸待てそれでいいのか??
http://www.nta.go.jp/sapporo/shiraberu/sake/bunrui.pdf
清酒とは「アルコール分22度未満を言う」
ラベルは「原酒」です。品位表示はどうなのか。現物は未確認です。
ちなみに、先の万代大澤醸造は、ここの分家的な生い立ちらしく、まぁ、色々と路線の違いがあったのかもしれません。
訪れる事がありましたら、飲み比べてみるのは如何でしょう。
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兵庫県西宮市今津郷 木谷酒造
東浜から再びバスに乗り用海町へ。
バスを降りたらそのまま北へ進み2つめの交差点を左へ、さらに交差点を1つ渡ったら左手に見えるのが木谷酒造。
主銘柄は喜一。
http://www.kiichi-osake.jp/
ここは、灘五郷でも珍しい敷地内に宮水井戸を持つ酒蔵。
震災で規模縮小はするも、自社醸造は続けているとの事。
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兵庫県西宮市今津郷 松竹梅酒造
木谷酒造を通り過ぎ、交差点を左へ、酒蔵通りに戻ったら更に西へ。
白鷹酒造を通り過ぎ、交差点右手を見れば塀から控えめに建つ「松竹梅酒造」の看板が見えます。
http://www.nadagogo.ne.jp/kura/nadaichi.html
ここは、歌手の「さだまさし」氏のごひいきの蔵。
事務所にはゆかりの品が残されています。
昔は「松竹梅」が主銘柄だったのですが、諸般の事情で宝酒造に銘柄を譲ったとの事。
現在の銘柄は「灘一」
ここも、震災の後、自社での生産は行っていないとの情報があります。
南隣にある白鹿の辰馬本家から買っているとかいないとか・・・
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兵庫県西宮市 北山酒造
松竹梅酒造の前を通り過ぎ、左手に白鹿の辰馬本家の工場を見つつ浜町の交差点を北に進みます。
創価学会の建物の北の道の先を見れば、突き当たりに見えるのが北山酒造。
銘柄は島美人。
http://www.bijinclub-shimabijin.co.jp/
灘五郷で一番小さい酒蔵と言って間違いないでしょう。
震災前は隣接するジャパンの敷地全体が酒蔵だったという説があります。
自社での醸造は・・・無いでしょう。多分。
さて、西宮郷の酒蔵はここまで、北に進んで阪神西宮がとりあえず終点。
阪神電車に乗って芦屋を起点に次は魚崎郷を歩きます。
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兵庫県神戸市魚崎郷 太田酒造
阪神芦屋駅を降りて南へ進み、国道43号線に来たら西へ折れ、深江本町1丁目の交差点で43号線を渡り南へ。
海が見える道路に突き当たったら西へ、右手に門が見えたらそこが太田酒造灘酒造場千代田蔵。
太田酒造は滋賀県草津市が本社で、主銘柄「道灌」は、太田道灌に因むもの。
http://www.ohta-shuzou.co.jp/
千代田蔵は新しい蔵で、割に最近銘柄「千代田蔵」で灘の酒として自醸しております。
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兵庫県神戸市魚崎郷 小山本家酒造灘浜福鶴蔵(掲載時は浜福鶴銘醸)
阪神魚崎駅を降り住吉側沿いを南へ、国道43号線に突き当たったら東へ折れ、地下道を通って更に南へ。
真っ直ぐ進んで突き当たりに駐車場が見えたら、右手にあるのは剣菱酒造の魚崎蔵。
ただしこれは今回の目的地ではない。
道を左に折れ更に進むと、櫻正宗の蔵を横目に更に直進して左手に見える煉瓦煙突を模した看板が目的地の旧浜福鶴銘醸。
今年9月より合併により小山本家酒造灘浜福鶴蔵に。
主銘柄は浜福鶴。(震災前は福鶴)
http://www.hamafukutsuru.co.jp/
阪神大震災で倒壊したが小規模な吟醸酒工房として復活を果たしたのが元。
ところで、西隣の建物に掲げられた、辻井酒造の看板に気付く方は何人いるだろうか?。
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兵庫県神戸市御影郷 剣菱酒造
阪神御影を降りて通りを南へ。
国道43号線を横切って更に行くと左手に灰色と白の特徴的な建物が。
そこが剣菱酒造。
本来は大手の部類で一括りにしておかしくないのですが、ここは一風変わっているのであえて加えました。
先の老松酒造で酒蔵番付が店に掲げてあって、東西の大関が老松と剣菱だった事。
そして伊丹で酒造りをしていた事。
つい最近までホームページは無かったのですが、ついに出来ました。 これも時代でしょうか。
http://www.kenbishi.co.jp/
行政と戦い続けた蔵。
大手で許認可事業です。
行政と喧嘩した会社は数あれど、ここまでするのはなかなか出来るもんじゃありません。
さて、その剣菱に今も残る創業の名残。
ラベルを見ると必ずある「丹醸」の文字。
それは「伊丹酒」の事。
これからも剣菱は「一寸特別な酒」であり続けるのでしょう。
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兵庫県神戸市御影郷 坊垣醸造
さて、剣菱酒造の通りを東へ行けば、菊正宗、白鶴と、大手の工場の間を抜ける通りに行きます。
その反対に、西へ行けば、通りの向こうにダスキン御影が見えてきます。
その区画をぐるり一周すれば、西の通りに「坊垣醸造」の看板を見つける事が出来ます。
屋上の看板には今も「鳳凰戎面」の文字が見て取れますが今は休蔵中。
既に他社の倉庫になっているという噂もあります。
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兵庫県神戸市御影郷 泉勇之介商店
坊垣酒造の写真に写った道を奥に進みシャッターの前にある西へ行く道を進み、川を2つ渡った先の交差点を南へ行けば、木造の古風な建物が見えてきます。
そこが泉勇之介商店。
主銘柄は灘泉。
http://www.nadaizumi.com/
1.17を乗り切った登録文化財の木造酒蔵も経営不振で競売にかけられ不動産会社のものに。
http://mainichi.jp/select/news/20130629k0000e040242000c.html
今の在庫が尽きたら自醸をあきらめ名前だけが残る酒蔵になる可能性が大きいのが現実の様です。
せめて取り壊しを免れて商業施設にでもなってくれれば良いのですが、駅から10分のロケーションは月並みな建売住宅かマンションに化ける可能性が高いのが今の日本の資本の原理って奴なのかもしれません。
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兵庫県神戸市御影郷 泉酒造
泉勇之介商店から元来た道を交差点まで戻り、左に折れるとすぐに酒林を吊った門があります。
泉酒造です。
主銘柄は泉正宗。
だったのですが、今は泉介と琥泉、ゆず酒の泉姫がメイン。
ここも震災で蔵が被災し、一時は自醸は出来ない状態でしたが、平成19年に復活。
蔵の復活を見ずに先立った先代の名前に因み今の泉介の銘柄になったそうです。
ちなみに・・○○泉酒造という蔵元は結構あるらしく、ググってみると軽く10社はヒットします。
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兵庫県神戸市御影郷 神戸酒心館
泉酒造の前を通って西へスグ、交差点の右手にまたも酒蔵の雰囲気のする建物が現れます。
入口を捜して更に進むと「神戸酒心館」の看板が。
看板の先の石畳の道を道を北に行けば酒林を吊った入り口に辿り着きます。
主銘柄は「福寿」
http://www.shushinkan.co.jp/index.html
数々の鑑評会金賞よりもこの蔵を有名にしたのは2012年12月、神戸大学出身の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したのに因んだのか、式典後の晩餐会で「福寿 純米吟醸」供された事。
今も青いボトルの純米吟醸は入手困難銘柄です。
また、酒蔵を中心とした観光施設的な一面もあり、蔵は予約すれば見学可能。
直売所にはお酒以外に全国の珍味を取り揃えていたり、料亭があったりイベントホールでコンサートや落語の会を催したりギャラリーで個展が開けたり。
何となれば結婚式の披露宴も出来るし・・・楽しめる酒蔵・・と言っていいんじゃないでしょうか。
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兵庫県神戸市御影郷 安福又四郎商店
神戸酒心館の門を出て南へ下り、来た時の交差点を右の折れて西へ行けば通りの左手に「大黒正宗」の看板が・・そこが安福又四郎商店。 御影郷はとにかく蔵と蔵が接近しております。
ここは基本原酒な蔵。アルコール度は18〜19度と少し高い目。
22度未満はキッチリ守ってます。
基本は本醸造系で表ラインナップは4種類。
けど、実は裏ラインナップがあります。
トップページの「原料米産地情報」それが裏のラインナップ。
そちらを見ると何と9種類。面白い奴もいる。
「紅天女」これだけでピンと来る人も多いかと思います。
漫画「ガラスの仮面」の梅つながりで生まれた酒。
「幡随院長兵衛」「お若えのお待ちなせぇ!」の名セリフの酒は、佐賀県の株式会社幡随院長兵衛が販売元。
ただ、こいつは謎が多い酒。
なかなか情報が少ない。
1.17で被災し、今は小さい蔵ですが歴史があるだけに奥が深いです。
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兵庫県神戸市西郷 金盃酒造
阪神大石駅をおり、都賀川を渡り南へ。
コインパーキングと小学校の間の通りの先を見ると、見えるのが「金盃酒造」
http://www.kinpai.co.jp/
主銘柄は金杯。
震災から何とか復旧はしたものの、現実は厳しいようです。
「金盃菊正宗」を販売して菊正宗から訴えられたり、社長が選挙に出て落選したり。
復活は果たした物の、辛口の意見が多い様に思えます。
さて、灘西郷に来た今回でとりあえず一周目は終わり。
次回よりセカンドシリーズとして、南の蔵から順に新たに訪れた蔵を巡ります。
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兵庫県明石市 明石酒類醸造
明石、子午線と昼網の街、そしてもう一つの顔が酒蔵の街。
一蔵目は大蔵谷と朝霧駅の丁度間にある新しい蔵。
遠くに明石海峡大橋と天文科学館が見える明石酒類醸造だ。
http://www.akashi-tai.com/index.html
銘柄は「明石鯛」ここは、日本よりドイツで有名。
日本酒にはまったドイツ人がドイツに日本酒を売りたいと思った時にまともに相手してくれたのがこの蔵だけだったとか。
元が醤油蔵で、日本酒は戦後と新しい事もあり、色々と変わった事にトライしております。
玄米の日本酒、一寸ありえない組み合わせのリキュール。
日本人の口には合わないかもしれないが、それも個性だ。
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兵庫県明石市 太陽酒造
明石の酒蔵地帯の中心「江井ヶ島」駅を降りて南へしばし。
右手に古びた木造の建物と横倒しの大きなお釜、そして地酒ありますと書かれた朽ちかけた看板。
そこが太陽酒造。
http://akashitaiyo.cocolog-nifty.com/blog/
会社の公式ブログもあるけど、最新情報はここで探そう。
店頭に曰く「淡麗辛口に反旗を翻す」と、ポリシーも明快、原料は全量兵庫県産山田錦。
純米無濾過原酒をそのまま。
「加水しない、炭素濾過しない、添加物を加えない」それが良いと言ってくれる人は必ず居るから。
そんな蔵にも危機があった。
テレビで紹介された事もあるけど微妙に怪しい会社の御陰で、蔵を失いかけた事もある。
助けてくれたのは、とある御贔屓さん。
困った事があったらと置いていった名刺には、とある企業の代表の名前が。
今も厳しい状況は変わっていないと思う。
けど、持ちこたえて今があるから。
こんな私で良ければ時々買いに行くから。
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兵庫県明石市 大和酒造
太陽酒造から西へしばし。
川を渡り道を進むと、道を挟んで近代的な工場と木造の蔵が向き合って建っている場所に着きます。
そこが大和酒造。ホームページはありません。
昔は「大和鶴」という銘柄で日本酒を出荷していた様ですが今は桶売り専門らしく、検索してもなかなかヒットしません。
が、この蔵の凄い所は別の所にありました。
それは、直系のこの会社の関連会社だから。
http://www.yabuta.co.jp/index.html
藪田産業。
大和酒造の専務だった藪田氏が興した会社。
出荷数4000台を超えるという薮田式ろ過圧搾機を筆頭に酒造関連機械をトータルで製造する専門メーカー。
日本の酒蔵の多くはここの機械のお世話になっている会社だ。
中には、波動転写触媒みたいなオカルト的なマシンもあったりしますが(ぉぃ)。
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兵庫県明石市 江井ケ嶋酒造
山陽電鉄西江井ヶ島駅から南へ600m、海岸沿いの巨大な敷地に7つの木造蔵が建つのが江井ヶ嶋酒造だ。
http://www.ei-sake.jp/
日本酒、味醂、焼酎、ウィスキー、ワイン、何でもござれの総合蔵だ。
日本酒の主銘柄は「神鷹」
サンテレビあたりだと「酒は神鷹、男は辛口」のCMを見た方もおられるやしれませぬ。
前回書いた「今の日本酒の形を作った」とは・・・
「巨人の星」の1シーン。酒徳利もって酒を買いに行く場面。
そう、日本酒も元は酒屋で量り売りだったのだ。
ただ、悪い事をする奴が出てくる。
酒を売ったら徳利に売った酒のラベルを貼るのが常だったが、ラベルは一流中身は三流で済ます不心得者が出てくるのだ。
そこでこの蔵が始めたのは、自ら製瓶工場を持ち、今で言う「一升瓶」を造り、一升瓶入りの日本酒を売り出したのだ。
明治32年の事である。
今でこそ当たり前だが、灘でも伏見でもなく明石から誕生した事は、ここに先進の何かがあるのであろう。
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兵庫県明石市 茨木酒造
西江井ヶ島から西へ1駅、魚住駅を出て南西、駅の南の小学校の南の通りを西へ行くとほどなく南側に見えるのが
「茨木酒造」だ、主銘柄は来楽。
http://rairaku.jp/
表には醸造タンクの看板、直売所の扉には「少し力を入れて左に引いてください」と書かれ、入ると木鐸にこれまた「ご用の方は少々力強く叩いてください」の文字が。
それにしても安い。
大吟醸3800円でいいのか??
にごりに至っては1600円。
それも一升瓶でだ。
面白い所では「花酵母」の日本酒が3種類ある。
アベリア、シャクナゲ、月下美人。
月下美人のお酒。
ロマンチックではないか。
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